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スポーツに「良い姿勢」はある?やりたい動きとケガ予防につながる姿勢づくり

ランニングや水泳、ロードバイクなどのトレーニングをしていると、「自分は実際にどうやって動いているのだろう」と気になることはありませんか。

フォームを見直すときには、「もっと胸を張る」「背筋を伸ばす」といったアドバイスを受けたり、トップ選手の動きを参考にしたりすることもあるでしょう。写真や動画に映った自分を見て、理想とする「良い姿勢」や「かっこいいフォーム」と比べることもあるかもしれません。

しかし、見た目が理想に近いからといって、それが自分にとって良い姿勢であるとは限りません。なぜなら、骨格や体格、筋力、柔軟性には個人差があり、競技や場面によっても、身体に求められる状態は変わるからです。

見た目の良さを追求しても、呼吸がしにくくなったり、動き出しが遅れたり、一部に力が入りすぎるといった状態であれば、その人や競技に合った姿勢とは言い切れません

では、スポーツにおける「良い姿勢」とは、どのような状態なのでしょうか。

今回は、見た目だけにとらわれず、身体の使い方や呼吸、競技の特性、練習による負荷、その日の体調まで含めて、長くスポーツを続けるための姿勢の見直し方を紹介します。

ランニングする女性

スポーツの「良い姿勢」は、止まった形だけでは決まらない

日常の姿勢については、以前の記事「姿勢がいいとはどんな状態?背筋を伸ばすだけではない、自分に合う姿勢の見つけ方」で、呼吸を続けられ、次の動きへ移りやすいことを一つの目安として紹介しました。

スポーツでは、そこへさらに「何をするための姿勢か」という条件が加わります。テニスのレシーブなら左右へ動けること、ランニングなら着地から次の一歩へ力をつなげること、水泳なら進む方向に対して抵抗を増やしすぎないことなど、競技と局面によって必要な構えは変わります。

そのため、スポーツにおける良い姿勢は、身体の各部を決められた位置へ固定することではありません。視線を保ち、呼吸を続けながら、地面や道具から受ける力に対応し、次の動作をコントロールできる状態と考えると分かりやすくなります。

テニスをする人

動きの中での正しい姿勢がある

良い姿勢と聞いて、ずっとその状態を維持して身体を固めることを想像する人もいるでしょう。しかし競技中は、相手やボール、路面、速度に応じて姿勢を変え続けます。必要なのは、状況や場面に応じて、身体の変化を受け止めて、次の動きへつなぐことです。

胸を張ることに力を使いすぎて方向転換が遅れる、肩を下げようとして腕が振りにくくなる、といった場合は、見た目は整っていても目的に合っていない可能性があります。

同じ人でも、競技や局面によって姿勢は変わる

「正しい姿勢」を一枚の写真で覚えようとすると、実際の動きとの間にずれが生まれます。

スタート前と加速中、打つ前と打った後、疲れていない序盤と終盤では、身体にかかる力も、使える可動域も異なります

また左右差も、見つけた瞬間に悪いものと決める必要はありません。ラケットやクラブを片側で扱う競技では、左右に異なる役割があります。対称に思われる水泳であっても、呼吸の方向やキックのリズム、得意不得意などによって左右差がでます。

大切なのは左右を完全にそろえることではなく、その違いが競技にどう活かせるのか動きにくさや同じ場所への負担につながっていないかを考えることです。

いつも同じ部位に違和感が出る場合は、「いつも同じところが痛いのはなぜ?身体のクセとの向き合い方」も、繰り返す動作を見直す参考になります。

ロードバイクを漕ぐ男性

姿勢を直せば、ケガを防げるとは限らない

姿勢やフォームは、身体への力のかかり方を考える手がかりになります。身体にとって誤ったフォームを無理に続けていたら大きなケガにつながる可能性もあるでしょう。

しかし実際は、練習量や強度の変化、休息、過去のケガ、筋力や可動性、競技環境、用具、その日の体調など、複数の条件が重なります。

国際オリンピック委員会(IOC)がだしている声明でも、適切でない負荷管理がケガの大きなリスク要因になり得ることが示されています。つまり、ケガの予防はフォームを整えることだけでなく、今の身体が受け止められる量と、実際にかけている負荷の関係を見る必要があります。

「姿勢が崩れたからケガをした」と単純に結論づけると、休息不足や急な練習量の増加など、ほかの大切な要因を見落とすことがあります。反対に、見た目のフォームがきれいだから安全とも限りません

競技中の姿勢を見直す4つの視点

1.その姿勢から、目的の動きへ移れるか

今の自分にとって、目的の動きがやりやすいかです。例えば、水泳や陸上のスタート動作は、構えてから、スタートして、加速していくための姿勢を出来るだけ速くつくる必要があります。

この時に、次の動作に素早く移れず反応が遅れる、スタート後の泳ぎや走りがぎこちなくなり、スピードに乗らないという感覚がある方は目的に向かった姿勢が取れていない可能性があります

陸上のスタート

2.呼吸や視線を保てるか

腹部や肩を固めすぎると、呼吸や視野が狭くなることがあります。構えた状態で息を続けられるか、相手や進行方向を無理なく見られるかを確かめます。必要な瞬間に力を入れることと、ずっと力み続けることは別です

3.疲れたとき、動きがどう変わるか

練習の最初だけでなく、後半の動画も比べてみましょう。歩幅が急に変わる、片側だけで支える、腕が上がりにくくなるなどの変化は、負荷を調整する手がかりです。姿勢を意識で戻し続ける前に、休憩、回数、速度、重量を見直す選択もあります。

また大会に参加している人は、自分の試合動画を見ることもあるでしょう。練習と本番では緊張感も違うので動きが変わることがあります。そしてその中での後半の“動き”も確認する一つの視点です。

4.違和感や痛みを「結果のため」と押し込めていないか

「多少痛くても、練習を重ねれば強くなれる」「足や肩に負担がかかるのは、トレーニングをしている証拠」と考え、違和感を我慢してしまうことがあります。

しかし、身体へ負荷をかけることと、痛みに耐えながら練習を続けることは同じではありません。休息によって回復できる疲労もあれば、フォームや練習量を見直す必要がある場合、治療が必要なけがが隠れている場合もあります。痛みの程度や原因を自分だけで判断し、無理にフォームを変えながら練習を続けることは避けましょう。

立ち止まることは、競技を諦めることではありません。その日の練習時間を短くする、負担の少ないメニューへ替える、休養をとるといった調整も、長く競技を続けるための大切な判断です。

また、自分だけで状態を判断しにくいときは、専門家を活用する方法があります。整体やトレーナーなどに身体の使い方や普段の動きを確認してもらうことで、自分では気づきにくい力みや動作の偏りを見直すきっかけになります。

パーソナルトレーニング

ただし、すでに強い痛みや腫れ、しびれ、力の入りにくさ、急に生じた症状、長引く痛みがある場合は、まずは医療機関へ相談してください。必要に応じて専門家の力を借りることも、誤った方向へ進まず、自分に合ったトレーニングを続けるための一つの選択です。

まとめ|良い姿勢とは、やりたい動きへ向かえる準備

スポーツにおける良い姿勢は、いつでも同じ形を守ることでもトップ選手の動きを真似することでもありません。競技と局面に応じて、呼吸や視線を保ち、力を受け止め、次の動きへ移ることができる自分にあった状態のことなのです。

姿勢はケガを考える一つの視点ですが、それだけが原因ではありません。負荷、疲労、過去のケガ、環境なども含めて見直し、違和感や痛みがあるときには立ち止まる選択を持つことが、長く好きな競技へ向かうことにつながります。

私たちの運営するPONO SURU SALONでも、今の身体の状態、生活、目標などを確認しながら、お客様一人ひとりに合う身体の使い方を一緒に考えることを大切にしています。

まずは次の練習で、構えを一つの正解へ近づける前に、「この姿勢から、今やりたい動きへ移れるか」と確かめてみてください。今の自分に目を向け、必要な調整を選ぶことも、スポーツを続けるための「整える」習慣です。

この記事の著者

Akachi Natsuki

1994年9月16日生まれ。大手スポーツメーカーで営業・PR・新規事業に携わり、アスリートや高いウェルネス意識に触れる。整体師で水泳コーチの夫との出会いを機に水泳を再開し、身体と向き合う大切さを実感。“PONO SURU(本来の状態に整える)”を軸に、日々のコンディションづくりやハーブティーの魅力を発信。

“スポーツに「良い姿勢」はある?やりたい動きとケガ予防につながる姿勢づくり” への1件のフィードバック

  1. […] 以前の記事「スポーツに『良い姿勢』はある?やりたい動きとケガ予防につながる姿勢づくり」でも、負荷や体調を含めて身体の状態を見直し、立ち止まることも競技を続けるための判 […]

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