夏のトレーニングを楽しむために!暑さ指数と体調で判断する中止・短縮の目安
夏の暑い日に、ランニングやテニス、サイクリングなどを続けていると、どこまでの強度で運動をして良いものかと迷うことはありませんか。
せっかく時間をつくったから、少し暑くても予定を変えたくない。水分を持っていけば大丈夫だろう。気温が昨日と同じくらいなら、今日も同じメニューができるはず。そう考えて、いつもの運動を始めることもあるでしょう。
しかし、身体が受ける暑さの影響は、気温だけでは決まりません。湿度、日差し、地面からの照り返し、風、運動の強さ、その日の体調などが重なるため、同じ気温でも危険度は変わります。また、運動を始める前は元気でも、続けるうちに状態が変化することがあります。
では、暑い日の運動を続ける、短くする、休むことは、どのように判断すればよいのでしょうか。
今回は、暑さ指数(WBGT)、運動する環境、今の自分の状態という3つの視点から、夏のトレーニングを楽しむためのポイントをご紹介します!

暑い日の運動は「する・しない」の二択ではない
運動を習慣にしている人ほど、予定を変えることへ抵抗を感じるかもしれません。「一度休むと習慣が途切れる」「練習量が足りなくなる」と考え、いつもの内容を守ろうとすることもあります。
けれど、運動を続けることと、毎回同じメニューを行うことは同じではありません。時間を短くする、強度を下げる、涼しい場所へ移す、別の日に振り替えるといった調整も、習慣を守る方法です。
その日の計画を完了することだけでなく、次の日も身体を動かせる状態で終えることまで含めて考えると、休むことや短縮することも前向きな選択になります。
気温だけでなく「暑さ指数(WBGT)」を確認する
暑さ指数(WBGT)は、気温だけでなく、湿度、日射、地面や建物からの輻射熱などを取り入れた指標です。数値には「℃」が使われますが、天気予報で示される気温とは異なります。
日本スポーツ協会の「熱中症予防のための運動指針」では、暑さ指数を次のような目安として指針を出しています。
31以上:運動は原則中止
28以上31未満:激しい運動は中止
25以上28未満:積極的に休息
21以上25未満:積極的に水分補給
21未満:適宜水分補給
これらは環境省の「暑さ指数の実況と予測」で確認することができます。活動場所に近い地点を選び、運動する時間帯の予測値を確認することでその日の運動強度の目安にすることができます。
特に、いつもと違う場所や環境で運動をする際は、あらかじめチェックしてみてください。

活動前は「予報・場所・自分」を順番に見る
運動する時間帯の予測値を見る
朝は涼しくても、運動する時間には暑さ指数が上がることがあります。出発時の気温だけでなく、実際に活動する場所と時間帯の暑さ指数の予測を確認することが重要です。
また屋外活動を予定している場合は、熱中症警戒アラートの有無も確認するのもよいでしょう。
実際に運動する場所を見る
特に、アスファルトや高温の壁面がある場所などでは、厚さ指数の観測地点より厳しい暑熱環境にある場合があります。
日陰があるか、風が通るか、休める室内が近くにあるか、水分を補給できるか、途中でやめて帰れるかを事前に確認するようにしましょう。
ちなみに体育館や室内でも安心できません。私は、趣味で水泳をやっていますが、水温がいつもより高いと、屋内にもか関わらず熱中症に近い症状が出たことがあるため、その時の環境には注意するようにしています。

今の自分の状態を見る
睡眠不足、体調不良、食事が十分にとれていない状態、前日の疲れ、暑さにまだ慣れていない時期などは、いつもと同じ運動が負担になることがあります。
「予定では走る日だから」ではなく、今朝の体調と活動直前の感覚を確認します。いつもと違う疲れやだるさがあるなら、短縮や中止を選ぶ理由として十分です。
続ける・短くする・休む判断の目安
条件を変えて続ける
暑さ指数と体調を確認し、運動できると判断した場合であっても、全力でトレーニングに取り組んでしまうのは、体調を崩すリスクを高める可能性があります。
涼しい時間帯や場所に移る、休憩時間を増やす、トレーニングがてら他のスポーツをやってみるなど、暑さに合わせて運動の条件を変えてみることも工夫のひとつです。
短縮・変更する
暑さ指数が上がっている、日陰や休憩場所が少ない、前日より疲れているといった条件が重なるなら、時間や強度を下げましょう。
ランニングの時間を短くしたり、短いウォーキングに替えたり、高強度の練習をする回数を減らすなど、目的を完全に手放さずに負荷を調整する方法もあります。
中止して休む
暑さ指数が「運動は原則中止」の区分にあるとき、または体調に異変があるとき、安全に休める場所や水分を確保できないときは、運動を行わない判断が必要です。
大会や集団練習であっても、決められた予定より身体の安全を優先しましょう。周囲が続けていることも、自分が続けてよい根拠にはなりません。
活動中は、数値だけでなく身体の変化を見る
活動前に確認していても、天候や体調は変わります。運動中は、ペースや記録だけでなく、身体の変化へ目を向けます。
めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、強いだるさ、筋肉のけいれん、反応がおかしいといった症状がある場合は、運動を中止してください。
「あと少しだから」と続けず、涼しい場所へ移り、身体を冷やしましょう。
もう一度言います、「あと少しだから」と続けないでください!(大人でスポーツをしている人はあるあるです!笑)
「汗をかけているから大丈夫」「毎年この暑さで運動しているから平気」といった経験だけで判断しないことが大切です。慣れは一つの条件ですが、その日の体調や環境まで同じとは限りません。

予定変更を、失敗ではなく調整として捉える
目標があると、計画どおりに取り組むことへ意識が向きます。しかし、暑さに合わせて運動を短くしたり、休んだりすることは、頑張りが足りないという意味ではありません。
以前の記事「スポーツに『良い姿勢』はある?やりたい動きとケガ予防につながる姿勢づくり」でも、負荷や体調を含めて身体の状態を見直し、立ち止まることも競技を続けるための判断だと紹介しました。
暑い日の運動も同じです。今日の予定を守ることより、今の自分と環境に合う方法を選び、次の活動へつなげることが大切です。
予定変更を前提に、短いメニューや室内でできる内容をあらかじめ用意しておくと、判断しやすくなります。
まとめ|暑さ指数・環境・体調でその日の運動を決める
暑い日に運動するかどうかは、気温や気合だけでは判断できません。
暑さ指数、実際に運動する環境、今の身体の状態を確認し、続ける、短くする、内容を替える、休むという選択肢を持つことが大切です。活動中も身体の変化を見て、異変があれば中止してください。
まずは次の運動前に、天気予報の気温だけでなく、活動する時間帯の暑さ指数を確認してみましょう。そして、その数値を「予定を実行できるか」ではなく、「今日の自分に合う内容を選ぶための手がかり」として使ってください。
環境と身体に目を向け、無理のない選択へ調整することも、好きな運動を続けるための「整える」習慣なのです。


