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フォームを変えると動きにくいのはなぜ?新しい動きを身につける練習の考え方

ランニング、水泳、テニス、筋力トレーニングなどで、コーチからフォームを直された途端、以前より動きにくくなった経験はありませんか。

教わった動きを意識すると身体がぎこちなくなる。これまで出せていたスピードや力を発揮できない。「こちらのほうがよい」と言われても思うように再現できず、「自分にはこのフォームが合わないのでは」と感じることもあるでしょう。

競技の課題を改善し、さらにパフォーマンスを高めるためには、慣れたフォームを見直し、新しい身体の使い方を身につける必要がある場合があります。

しかし、慣れた動きは細かく考えなくても行えるのに対し、新しい動きでは、身体の位置や力を入れるタイミングなどへ意識を向けなければなりません。そのため、練習を始めた直後は動きがぎこちなくなり、タイムや回数、正確性などが一時的に下がることがあります。

結果が落ちると、「以前のフォームへ戻したほうがよいのでは」「練習しても上達していない」と不安になり、モチベーションまで下がるかもしれません。けれども、新しい動きを練習している途中のパフォーマンス低下は、必ずしも上達していないことを意味するわけではありません。

では、一時的な動きにくさや結果の低下をどのように受け止め、新しいフォームを自分の動きとして身につけていけばよいのでしょうか。

今回は、動作学習の視点から、フォームを変えた直後に動きにくくなる理由を考えていきます。そのうえで、結果が出ない時期でもモチベーションを保ちながら、練習を続けるための考え方と組み立て方についてご紹介します!

ピラティスを練習する人

フォームを変えると動きにくくなる理由

長く繰り返してきた動きは、身体の位置や力を入れる順番を一つひとつ考えなくても行いやすくなります。

ランニングであれば、足を着く位置や腕を振るタイミングを毎回考えなくても走ることができますし、水泳なら、手を入水させる位置や呼吸のタイミングを細かく確認せずに泳げるでしょう。

ところが、新しいフォームを練習するときは状況が変わります。

「肘の位置は合っているか」「身体が傾いていないか」「力を入れるタイミングは早すぎないか」など、これまで意識していなかったことを確認しながら動かす必要があるためです。

一度に多くのことへ注意を向けると、動きのつながりが途切れやすくなります。その結果、動作が遅くなったり、余計な力が入ったり、以前なら自然にできていたことまで難しく感じたりするのです。

つまり、フォームを変えた直後に動きにくくなるのは、新しい動きがまだ身体に定着しておらず、考えながら再現している段階だからです。

タイムや回数が落ちたとしても、それだけで以前の能力を失ったとは判断できません。むしろ、その能力をより発揮するために、今まで無意識に行っていた動きを一度分解し、新しい方法へ組み直している過程なのです。

テニスをしてフォームの練習をする人

フォームが身についた部分は、意識しすぎない

フォームを変更したあとは、その日のタイムや回数だけで練習の良し悪しを判断しないことが大切です。

練習中に一度だけ新しいフォームを再現できても、翌日にはできなくなることがあります。反対に、その場ではうまくできなかった動きが、数日後に試すと以前より自然にできることもあります。

フォームが身につき始めているかどうかは、結果だけでなく、次のような変化から確認してみましょう。

  • 翌日も同じ動きを再現できるか
  • 少し速度や負荷を上げてもフォームを保てるか
  • 動きながら考えることが減ってきたか
  • 余計な力みや息苦しさが少なくなったか
  • 実際の競技に近い場面でも使えるか

難しい動きを練習している間は、タイムや回数が一時的に下がることがあります。それでも、以前より少ない意識で動けるようになったり、速度を上げてもフォームが崩れにくくなったりしていれば、新しい動きが少しずつ身についていると考えられます。

ただし、自分がすでにできるようになった部分を見極めることは、簡単ではありません

新しいフォームを覚えるときは、身体の位置や力を入れるタイミングを意識する必要があります。しかし、ある程度身についたあとも同じ部分を細かく意識し続けると、かえって余計な力が入り、動きのつながりを崩してしまうことがあります。

たとえば、ランニングで足の着き方を見直した場合、練習を始めたばかりの頃は、接地する位置への意識が必要です。しかし、動きが身についてからも足元ばかりを操作しようとすると、ふくらはぎへ力が集中したり、自然な体重移動を妨げたりする可能性があります。

水泳でも、肘の位置を意識することが動きを覚える手がかりになります。一方で、その形を保とうとしすぎると肩や首まで固まり、腕の動きや呼吸とのつながりが悪くなる場合があります。

このように、新しいフォームを身につける過程では、できていない部分を練習するだけでなく、すでにできるようになった部分は、少しずつ意識から外していくことも必要です。

私は、このフォームがどのくらい身についたかの過程おいて、特にコーチなど指導者と一緒に確認しながら練習を重ねることを強くおすすめします!目的がパフォーマンスアップでも怪我の予防であっても、練習して上手くなろうと思えば思うほど、「部分的にできるようになったこと」に気づいて修正していくのは一人では難しいと感じるためです。

「まだ意識して練習する部分」と「身体に任せてよい部分」を分けると、必要以上にフォームを追い求めて目的と違った方向へいくことを防ぐこともでき、結果として上達もしやすくなっていくのです。

走り方を練習している人

新しいフォームを身につける5つの練習方法

変更する目的を一つに絞る

最初に、「なぜフォームを変えるのか」を明確にします。

速く動くためなのか、力を効率よく伝えるためなのか、特定の場所へ負担が偏るのを防ぐためなのか。目的が曖昧なまま見た目だけを変えようとすると、何を基準に練習すればよいのか分からなくなります。

まずはコーチや指導者と、改善したいことをすり合わせましょう。

意識するポイントを一つにする

肩、肘、腰、膝、足の位置をすべて同時に直そうとすると、動きが複雑になります。

一回の練習で意識するポイントは、一つに絞るのが基本です。

また、身体の部位を細かく操作するだけでなく、動きによって何を起こしたいのかへ意識を向ける方法もあります。

  • ランニングなら「地面を後ろへ送る」
  • 水泳なら「水を後方へ押す」
  • テニスなら「ボールを狙った場所へ運ぶ」
  • スクワットなら「足裏で床を押す」

運動学習の研究では、身体の部位そのものよりも、動きが外部へ与える結果に注意を向ける方法が、動作の習得に役立つ可能性が示されています。

速度や負荷を下げる

新しいフォームを全力で試すと、身体は慣れた動きへ戻りやすくなります。

ランニングなら速度や距離を落とす。水泳なら短い距離で区切る。筋力トレーニングなら重量を下げる。テニスなら強く打つ前に、近い距離で動きを確かめる。

まずは、新しい動きを確認できる余裕を残した条件で練習します。

低い負荷で再現できるようになってから、速度、距離、重量、回数を一つずつ増やしていきましょう。

動作の一部分から全体へつなげる

複雑なフォームは、動作を一度に完成させようとせず、一部分を取り出して練習します。

水泳なら、腕の動きだけを確認してから呼吸やキックを加える。テニスなら、構えから打点までを確認してからフォロースルーへつなげる、といった方法です。

一部分を練習したあとは、必ず競技全体の動きへ戻します。部分練習だけで終わらせず、実際の動作の中で使えるかを確かめることが大切です。

泳ぎを練習している人

疲れ切る前に区切る

疲労が大きくなると、身体の位置や力加減を正確に確認しにくくなります。フォームを覚える練習では、できなくなるまで繰り返すより、短い回数で区切り、休みながら試す方法が向いています。

たとえば、10回連続で崩れた動きを続けるのではなく、2〜3回行って確認し、休んでもう一度試します。

練習量を増やすことより、目的の動きを再現できた回数を増やすことを意識してみてください。

モチベーションが下がったら、上達の基準を変える

フォームを変更した直後に、タイム、重量、回数、成功率だけを以前と比較すると、「できなくなった」という感覚が強くなります。

そのような時期は、結果だけでなく、動きを身につける過程にも向き合ってみましょう。

  • 今日意識したポイント
  • 再現しやすかった速度や負荷
  • うまくできた回数
  • 力みや動きにくさが出た場所
  • 次回、一つだけ試したいこと

「以前より速かったか」だけでなく、「低い速度なら再現できた」「3回のうち1回は力まずに動けた」「翌日も同じ感覚を思い出せた」といった変化も上達の一部です。

また、フォームを覚える練習と、記録へ挑戦する練習を分ける方法もあります。

今日は速度を抑えて新しい動きを確認する。別の日は、身についた範囲で競技の結果へ挑戦する。このように練習の目的を分けると、毎回の結果に一喜一憂せずに練習を前向きに捉えやすくなります。

一時的にパフォーマンスが下がったことは、練習が失敗した証拠ではありません。これまでとは違う動きを身につけるために、注意を使って試している段階なのです。

できないことばかりを見るのではなく、何が少しできるようになったのかを確かめることが、練習を続ける力になります!

筋トレを頑張る女性

PONO SURUが考える、新しい動きとの向き合い方

私たちPONO SURUは、好きなことを楽しく、長く続けられる毎日を支えるために、サービスや商品を通して「整える習慣」をお届けしています。

その第一歩は、今の自分の心と身体に向き合うことです。どこに力が入っているのか、どう動きにくさを感じているのか、練習後にどのような疲れが残るのか。まずは自分の状態に気づくことが、そのときに必要なケアや練習を選ぶ手がかりになります。

新しいフォームを身につけるときも、目指す形へ身体を無理に合わせるのではなく、今できていることと、まだ動かしにくい部分を確かめることが大切です。そのうえで、自分が目指す動きに必要な練習を選び、速度や負荷を調整しながら、無理のない段階から試していきます。

フォームには競技ごとの基本がありますが、骨格、筋力、柔軟性、競技経験、疲労の状態は一人ひとり異なります。トップ選手の見た目をそのまま再現しようとしても、自分の身体や現在の練習段階に合うとは限りません。

大切なのは、そのフォームが何を改善するために必要なのかを理解し、自分の身体ではどのような段階を踏めば無理なく身につけられるのかを考えることです。

動きにくさや結果の低下だけを見て諦めるのではなく、今の状態を確かめ、必要な練習とケアを選び直す。その積み重ねが、自分に合ったフォームを身につけ、好きなスポーツや運動を長く楽しむことにつながります。

ヨガを練習する人

スポーツにおける姿勢と動きの関係は、「スポーツにおける良い姿勢とは?動きやすい身体の使い方」でも紹介していますので是非ご覧ください!

まとめ|一時的な低下だけで、上達を判断しない

フォームを変えた直後に動きにくくなるのは、慣れた動きを見直し、新しい身体の使い方を意識しながら練習しているためです。

その日のタイムや回数が落ちても、それだけでフォームの変更が失敗だったとは判断できません。

新しいフォームを身につけることは、今までとは異なる動きを、自分の身体で無理なく使える動きへ変えていく過程です。練習を続けるうちに、意識しなくてもできる部分と、まだ練習が必要な部分が混ざってきます。その違いを自分だけで見極めにくい場合は、コーチなどの指導者にも確認してもらいながら、次に意識するポイントを整理することが大切です。

一度の結果だけを見て、「できなくなった」と諦める必要はありません。昨日より少ない意識で動けた、余計な力が入らなくなった、同じ動きを再現できた。そうした小さな変化も、上達しているサインです。

今できていることを確かめながら練習を積み重ねることが、新しいフォームの習得と、もう一段高いパフォーマンスにつながっていきます。

この記事の著者

Akachi Natsuki

1994年9月16日生まれ。大手スポーツメーカーで営業・PR・新規事業に携わり、アスリートや高いウェルネス意識に触れる。整体師で水泳コーチの夫との出会いを機に水泳を再開し、身体と向き合う大切さを実感。“PONO SURU(本来の状態に整える)”を軸に、日々のコンディションづくりやハーブティーの魅力を発信。

“フォームを変えると動きにくいのはなぜ?新しい動きを身につける練習の考え方” への2件のフィードバック

  1. […] 身体の一部だけではなく、姿勢や普段の動き方を見直したいときは、姿勢がいいとはどんな状態?やフォームを変えると動きにくいのはなぜ?も参考にしてください。 […]

  2. […] ームを覚える時は、まずは自分の動きへ注意を向けたほうがよい場面があります。新しい動きを身につける時に意識したいことでは、焦らず動作を確かめるための順序を紹介しています。 […]

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